シトリン財団は「グローバルリサーチシンポジウム 2019」を2019年11月11-12日にシンガポール共和国 デュークNUS医学大学とシンガポール国立大学にて開催いたしました。

研究者、医師、患者が一団となりシトリン欠損症の治療法を見つけることはシトリン財団の信念の中核でした。 グローバルリサーチシンポジウムは、これまでの研究成果と治療法の考察に関する臨床研究の最新情報の共有や、世界各地からの医師や患者家族が研究者と直接意見交換をする場の提供を目的として開催されました。

シンポジウム初日には研究者が集結しシンポジウムが開催されました。この日はケンブリッジ大学MRCミトコンドリア生物学ユニットの名誉教授であり、シトリンタンパク質の発見に貢献したノーベル賞受賞者であるジョン・ウォーカー名誉教授や「シトリン欠損症の父」とも知られる鹿児島大学 佐伯武賴名誉教授もご参加なさいました。

シトリン財団が助成する研究に携わる研究者からの成果報告では非常に有意義な議論や論拠がうまれ、各プレゼンテーション後の質疑応答では沢山の質問や提案が飛び交いました。将来の研究や共同研究の焦点や方向性についても熱心に討論されました。

Professor John Walker

ジョン・ウォーカー教授

Professor Takeyori Saheki

佐伯武賴教授

プレゼンテーションを聴く研究者

初日に参加した研究者とシトリン財団のチーム

シンポジウム2日目には、研究者、シンガポール国内や海外からの医師、患者・患者家族が集まりました。佐伯教授がこの日の基調講演を務め、発表なさいました。この発表には佐伯教授の深い考察と知識が詰め込まれており、この後の質疑応答では参加した研究者や医師間で議論や質問が活発に行われました。

米国、日本、香港の医師で構成された壇上のパネルでは、シトリン欠損症患者の一般的な臨床像が発表されました。このプレゼンテーションにより世界各地におけるシトリン欠損症の状態がより明らかになりました。

またスペシャルゲストとしてアメリカから14歳の患者がシンポジウムに招かれ、生活パターンと食生活について発表してくれました。 母親も一緒に訪れ医師からの質問に応対しました。このセッションでは研究者や医師、出席した他の家族は10代患児の実生活について貴重な発表を聴くことが出来ました。

2日目後半では発表者による壇上での議論会が催されました。この活発であった質疑応答や議論は研究者・医師・その他出席した患者・家族にとって大変有意義であったと思います。私たちは、シンポジウムで提起された議論や論点がシトリン欠損症の研究に影響や刺激を与え、治療法の発見に一歩近づくことが出来たと感じております。

ご参加いただいた皆様におかれましてはお忙しい中シンポジウムにお越しいただきありがとうございました。皆様のお力添えをいただき大きな成果を収めることが出来ました。私たちはこのようなシンポジウムの開催、患者・医師からのアプローチ、科学研究および臨床研究への助成などがこの疾患の認識と関心を高め、正しい診断へ導くことが出来るよう願っています。

次回のグローバルリサーチシンポジウムでまたお会いしましょう。

プレゼンテーションの様子

参加者からの質問を受ける発表者の方々

カーソン君 14歳。他の子供と変わらない日常をおくりながらシトリン欠損症と上手く向き合っている生活について発表してくれました。

謝辞

ポール イェン教授、タイ イェ ション先生、シンガポール国立大学へ、シトリン財団 グローバルリサーチシンポジウム2019の開催のため場所をご提供いただき、感謝申し上げます。