佐伯 武賴
名誉顧問

1970年に徳島大学医学研究科修了、1971年学位取得.1980年鹿児島大学医学部生化学教授就任.現在、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科衛生学・健康増進医学客員研究員.

肝脳疾患の一種を成人発症型Ⅱ型シトルリン血症 (CTLN2) として生化学的に同定した.CTLN2の原因遺伝子を発見、同遺伝子が新生児肝内胆汁うっ滞 (NICCD) の原因であることを示した.本疾患をシトリン欠損症と命名、ミトコンドリアアスパラギン酸グルタミン酸輸送体をコードする遺伝子を原因遺伝子として同定.

また、シトリンおよびミトコンドリアのグリセロール3-リン酸デヒドロゲナーゼ double-KOマウス、すなわちシトリン欠損症マウスを考案、このモデルマウスを使用してシトリン欠損症の病態生理を特徴づけ、この疾患に対する新規治療法を開発.

受賞: 2000年、日本先天代謝異常学会賞

2003年、日本人類遺伝子学会賞

遠藤文夫
特別顧問

遠藤文夫教授は、1976年に熊本大学医学部で医学士を取得。1982年に医学博士号を取得後、米国ジョージア州アトランタのエモリー大学小児科、医学・生化学遺伝学教室でSkip Elsas教授と共同研究を行った。1985年に日本帰国後、熊本大学小児科学教室の教員となる。1997年から2016年に名誉教授となるまで熊本大学小児科教授・学科長を務める。2016年より熊本江津湖医療センターのCEO就任。2007年から2013年まで日本先天代謝異常学術集会学会理事長を務める。アジア先天代謝異常学会(ASIMD)の創設者であり、第1回アジア先天代謝異常学会総会(2010年福岡)の会長も務めた。

ニコラス・ア・ミュー
顧問

ニコラス・ア・ミュー医学博士は、国立小児病院の遺伝性代謝疾患プログラムの責任者であり、ジョージ・ワシントン大学の小児科准教授である。臨床遺伝学者および臨床生化学遺伝学者であり、主な研究テーマは尿素サイクル異常症、有機酸血症、その他のアンモニア代謝異常症である。米国国立衛生研究所および患者中心アウトカム研究所から資金助成を受けているいくつかのプロジェクトの主任研究者または共同研究者である。ア・ミュー先生は国立小児科の主任研究者であり、NIHが助成する尿素サイクル異常症コンソーシアム(UCDC)のメンバーでもある。高アンモニア血症および尿素サイクル異常症に関する複数の出版物や書籍の章を執筆し、これらのテーマについて国際的に講演を行っている。

キャリー・O・ハーデ
ィング

顧問

キャリー・O・ハーディング, MD, FACMGは、オレゴン健康科学大学(OHSU)分子遺伝学・医学遺伝学・小児科学教授。ワシントン大学で医学博士号を取得後、ウィスコンシン大学マディソン校で小児科および遺伝学の研修を受ける。臨床遺伝学および臨床生化学遺伝学の専門医資格を有する。ハーディング医師は、米国医遺伝学・ゲノム学会(ACMGG)の創立メンバーであり、米国細胞・遺伝子治療学会(ASGCT)および先天代謝異常学会(SSIEM)の会員でもある。遺伝性代謝異常学会(SIMD)会計担当。ドーンベッヒャー小児病院代謝クリニック主治医、OHSU生化学遺伝学研究室医長。また、北西部地域新生児スクリーニング・プログラムの臨床コンサルタントでもある。また、全米PKUアライアンス(NPKUA)の科学諮問委員会の共同議長およびPHEFREE希少疾患コンソーシアムのプロジェクト・ディレクターを務めている。ハーディング医師の基礎および臨床研究プログラムは、先天性代謝異常に対する遺伝子治療や細胞治療を含む新規治療法の開発に重点を置いている。

マーク・ヘラースタイン
顧問

ヘラースタイン博士・教授は、カリフォルニア大学バークレー校の人間栄養学部の教授であり、同校の寄付教授(Dr. Robert C. and Veronica Atkins Chair)を務めている。また、カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部の内分泌・代謝・栄養学教授でもあり、サンフランシスコ総合病院で25年間糖尿病クリニックを率いていました。ヘラースタイン教授はイェール大学医学部で医学研修を受け、マサチューセッツ工科大学で内分泌代謝学の博士号を取得しました。

ヘラースタイン教授の主な研究テーマは、代謝制御とその障害を理解するためのバイオマーカーとして、健康や疾病に重要な経路を通る代謝フラックスを生体内で測定することであり、医薬品開発や臨床診断への応用も含まれます。この研究の結果、330以上の論文、80以上の特許を取得し、多くの編集委員やNASAのアドバイザーとして活躍しています。ヘラースタイン教授は、2001年に医療診断と医薬品開発のバイオテクノロジー企業、KineMed社を、2023年には筋肉診断会社、Myo Corps社を共同設立しました。

エドモンド クニ
顧問

エドモンド クニ先生はオランダのフローニンゲン大学を数学と自然科学を博士で卒業。ケンブリッジの分子生物学研究所の医学研究評議会(MRC)でリチャード ヘンダーソン教授のグループでポストドクター研究を行う 2000年以来、英国ケンブリッジ大学のMRCミトコンドリア生物学ユニットのプログラムリーダーであり、ミトコンドリア内膜を介した代謝産物、補因子およびイオンの輸送におけるミトコンドリア輸送タンパク質の役割について研究を重ねる。2019年以来、ケンブリッジ大学臨床神経科学 生物理学教授 

ロビン・ラックマン
顧問

ロビン・ラックマン博士は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン病院のチャールズ・デント・メタボリック・ユニットを率いている。 内科で研修を受けた後、ケンブリッジ大学で脳への遺伝子導入用単純ヘルペスウイルスベクターの開発に関する博士号を取得した。 これがライソゾーム貯蔵異常症、そして遺伝性代謝性疾患への関心へとつながった。 現在の研究テーマは、これらの疾患の自然史と管理法である。

二コラ ロンゴ
顧問

ユタ州立大学医学部小児科教授、病理学及び栄養統合生理学の非常勤教授。イタリアのパルマ大学医学部分子生物学科にて博士号を取得。米国ジョージア州アトランタのエモリー大学にて小児科、遺伝医学、臨床生化学遺伝学の研修及びフェローシップトレーニング終了。2001年からユタ州立大学に所属、現在代謝部門のディレクター、ARUP生化学遺伝学研究所共同ディレクター、医療生化学遺伝学のフェローシップトレーニングプログラムディレクター、および医療遺伝学部門の責任者を務める。先天代謝性疾患の専門医であり、プライマリーチルドレンズメディカルセンターで先天代謝性疾患患者の治療に深く関わる。ロンゴ教授の基礎・臨床研究テーマは、脂肪酸酸化異常やカルニチン代謝異常、ならびにフェニルケトン尿症、有機酸血症、尿素サイクル異常、ライソゾーム病を含む代謝疾患への新規治療開発にも渡る。 

中村 公俊
顧問

熊本大学小児科学講座教授。熊本大学を卒業後、熊本大学小児科に入局。博士号を取得後、カナダのアルバータ大学医学部生化学研究室でフェローシップトレーニングを修了。2000年熊本大学発生医学研究所リサーチアソシエイト、2001年熊本大学小児科助手、2014年同准教授などを経て、2017年から同教授。アミノ酸代謝異常症、尿素サイクル異常症、有機酸代謝異常症やライソゾーム病などの研究を重ね、新生児スクリーニングによる小児難病の早期診断や早期治療に携わる。日本人類遺伝学会遺伝医学セミナーの実行委員、日本先天代謝異常学会セミナー実行委員長などを務め、卒後教育プログラムにも関わっている。厚生労働省難病研究班(中村班)の研究代表者として、シトリン欠損症をはじめとする先天代謝異常症のガイドライン作成ワーキンググループのリーダーを務めている。 

大石 公彦
顧問

東京慈恵会医科大学小児科学講座 教授。東京慈恵会医科大学を卒業後、慈恵大付属病院の小児科に入局。1998年に渡米。マウントサイナイ医科大学の分子循環器学研究室でのフェローシップ、マウントサイナイ病院の小児科研修医と遺伝医学専門医研修を終了。その後、マウントサイナイ アイカーン医科大学の教員、先天代謝異常症臨床プログラムの指導医として、先天性代謝異常症の病気のメカニズムの解明と新しい治療法の開発に取り組む。小児科・臨床遺伝の准教授に任命される 

米国におけるシトリン欠損症の臨床学的および分子学的研究のプロジェクトでUrea Cycle Disorder Consortium (米国尿素サイクル異常症共同研究グループのフェローに選考される。マウントサイナイ病院のチームと共同で書籍「シトリン欠損症  医者も知らない特異な疾患」著 佐伯武賴先生の英語版を作成。日本と米国での臨床および基礎医学のトレーニングの経験をもとに両国での医師免許、小児科および臨床遺伝学の専門医の資格を取得。 

ホルヒーナ・

サトゥルステグイ

顧問

スペイン、マドリード自治大学セベロ・オチョア分子生物学センター(CBMSO)の 生化学・分子生物学教授.

マドリードにて博士号を取得、マサチューセッツ総合病院 (ハーバード) とジョンソン財団 (ペンシルバニア大学)にポスドク研究を遂行、1993年にマドリード自治大学の教授就任。ミトコンドリア輸送体を制御するカルシウムの使用に依存するミトコンドリアにカルシウムシグナルを伝達する新しいシステムの研究に焦点を当てた研究室を長年に渡ってリードしている。

  1. リンゴ酸・アスパラギン酸NADHシャトルの構成成分であるグルタミン酸・アスパラギン酸輸送体、AGC1/Aralar/Slc25a12とAGC2/Citrin/Slc25a13
  2. ミトコンドリアの総アデニンヌクレオチド含量の制御に関与するATP-Mg/Pi輸送体、SCaMC1/APC1/Slc25a24とSCaMC2/APC3/Slc25a25と SCaMC3/APC2/Slc25a23

ミトコンドリアカルシウムユニポーターの役割と比較して、ニューロンのミトコンドリアにカルシウムシグナルを伝達す役割に特に関心があり、KOマウスを用いて研究に取り組む.研究室の他の主な関心事は、ヒトの疾患において輸送体の役割を理解すること。特に、AGC1欠損症などの輸送体における突然変異に関連する疾患。

スティーブン・

レオン・ヤン

顧問

スティーブンはノバルティスの免疫学戦略部長として、同治療領域における研究、開発、商業化および事業開発活動の全社的な調整を担当している。バイオ医薬品業界の投資管理、財務分析、戦略研究において20年以上の経験を有する。スティーブンは、アンメットニーズ領域における画期的な治療法の創出と流通を支援することに情熱を注いでいる。

スティーブンは以前、ロンドンを拠点とするライフサイエンス投資ファンド、キュラム・キャピタル・マネジメントの創設者兼最高投資責任者を務めていた。資産運用のキャリアにおいて、臨床、科学、規制、法規制の観点からヘルスケア業界の変革への投資に注力した。

キュラム入社以前は、ロンドン、香港、ニューヨークのマン・グループGLG、シティ・プリンシパル・ストラテジーズ、ティズベリー・キャピタル、ペリー・キャピタルでグローバル・ヘルスケア投資チームを立ち上げ、指揮を執った。ソロモン・スミス・バーニーでは、バイオテクノロジーおよびテクノロジー分野の顧客に対するM&Aアドバイザーとしてキャリアをスタートさせた。

ハーバード大学で化学の修士号、プリンストン大学で化学の学士号を取得した。

矢﨑正英
顧問

信州大学バイオメディカル研究所神経難病学部門・信州大学医学部保健学科 教授。専門は神経内科学.1992年に信州大学医学部を卒業、1998年信州大学大学院医学系研究科修了(医学博士). 1999年から米国インディアナ大学病理医学検査部へ留学.アミロイドーシスなどのタンパク質ミスフォールディング疾患の発病機序を研究した。2002年に信州大学に戻り、2011年には信州大学医学部脳神経内科 リウマチ・膠原病内科の准教授に着任。2014年、信州大学バイオメディカル研究所神経難病学部門に移り。アミロイドーシスおよびシトリン欠損症に関する基礎研究および臨床研究を継続中。2017年4月より、信州大学医学部保健学科・信州大学バイオメディカル研究所教授に就任。

今日まで、CTLN2の臨床像の解明と、CTLN2患者に対して治療戦略を確立するために、日本人CTLN2患者の臨床的研究および病理学研究を行ってきた。