ジョン・E・ウォーカー
委員長

オックスフォード大学セントキャサリン校で化学を学んだ。米国ウィスコンシン大学およびパリのパスツール研究所での勉学と研究の後、1974年にケンブリッジの医学研究評議会(MRC)の分子生物学研究所に属し、バクテリオファージの重複遺伝子の発見に貢献、ヒトミトコンドリアDNAにその存在を確立した。ヒトミトコンドリアDNAにエンコードされた13のタンパク質のうち3つを特定し、ヒトミトコンドリアの改変された遺伝子暗号の詳細も明らかにした。また、広範囲のタンパク質のヌクレオチド結合に関与する、名の由来にもなった2つのタンパク質配列モチーフを発見した。このモチーフは現在生物学全体で最も広く分布しているものである。

ケンブリッジ大学では、食物からのエネルギーが、ヒトの体を構成する細胞内のミトコンドリア内へ移行し、そして生命のエネルギー通貨である分子ATP(アデノシン三リン酸)に変換する事に興味を持った。1982年、ヒトのミトコンドリア輸送タンパク質ファミリーの53のメンバーを定義する基本的な3重反復構造の重なりを定義した。このうちの一つにミトコンドリアで作られたATPを細胞質に輸送し、 DNA・RNA・タンパク質の複製、筋肉や脳の機能などの生物学的機能のためのエネルギー源としての利用を可能にするタンパク質がある。
F. パルミエリ(F.Palmieri)と共に、このファミリーの15のメンバーの生化学的機能の同定に貢献した。このメンバーにはヒトでの変異がII型シトルリン血症に関連する、アスパラギン酸-グルタミン酸交換体が含まれる。

1994年、ATPシンターゼとして知られるミトコンドリアの複雑な分子反応に関する彼の研究により、食事からの糖と脂肪の酸化(制御された燃焼)によって放出されるエネルギーが機械的な回転装置によって合成され、一人一人が日々の生活を維持するために生成する60 kgのATPを作り出していることが解明された。この功績により、1997年にノーベル化学賞を受賞した。1990年代には、タンパク質の組成と、複合体Iと呼ばれ、生物学的なエネルギー変換にも関連するミトコンドリアの別の巨大分子集合体におけるタンパク質の局在化も定義した。この功績はその構造と機能に関する近年の調査の基盤となる。

1998年、ケンブリッジのMRCミトコンドリア生物学ユニットの前駆体であるMRC Dunn Human Nutrition Unitのディレクター、2013年には名誉ディレクターに就任。生物学におけるエネルギー変換の基本的な基礎をさらに深く掘り下げ、その知識は医学的利益に応用されている。王立協会のフェロー、2012年には英国最高の科学的栄誉であるコプリーメダルを受賞。また、医学アカデミーの特別研究員、ケンブリッジのシドニーサセックス大学の特別研究員、オックスフォード大学セントキャサリン校の名誉特別研究員、アカデミア・デイ・リンチェイ、ロイヤルオランダアカデミーオブアーツ&サイエンス、ニュージーランド王立協会の外国人会員、および米国科学アカデミーの外国人助手も兼任する。

バーバラユ
議員

バーバラ・ユは長期的経営理念として世界有数の専門家を集めた共同研究によるシトリン欠損症治療法の探求と、この希少疾患を持つ患者へのグローバル規模の支援を掲げます。この理念のもと、バーバラは夫であるイェン・ハウ・タイと共同でシトリン財団を設立しました。設立以来全ての助成金はこの二人の設立者より賄われています。

略歴 

YH2キャピタルの共同設立者兼共同CEO。YH2キャピタルは長期的な投資アプローチを採用する投資会社であり、同社の投資リターンは設立以来一定して市場を上回る。

YH2キャピタル設立以前は、2006年から2010年までイートンパーク キャピタルマネジメントのアジア責任者として、アジアにおける公開・非公開投資を統括。2006年の設立以来、同社アジア・ポートフォリオ・ビジネスの立ち上げ、構築、管理を担当。

イートンパーク入社前は、香港にてゴールドマン・サックスに5年間勤務し、株式部門の専有投資事業を担うアジア太平洋地域の企業主要戦略グループの責任者となる。ゴールドマン・サックス入社前は、モルガン・スタンレー ニューヨーク本社と香港支社で合併、買収、再編を担当。

1998年にケンブリッジ大学を卒業、法学の学士をダブル最優等学位で取得。法の功績によりノース・ディアス奨学金を、商法の功績によりノーソン・ローズ賞を授与。ジャーディン奨学生。

イェンハウホウタイ
議員

長期投資手法を採用している投資会社YH2キャピタルの共同創設者および共同最高経営責任者。YH2キャピタル設立前は企業家・投資家。1999年にオンライン不動産会社を設立、香港で最大のオンライン不動産事業に成長させる事業売却後、上海、北京、香港、シンガポールにて不動産投資開発に手を広げる。 

企業家になる以前は、アジアの投資家ABの未公開株式部門に勤務。コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーのグレーターチャイナ事務所にて経営コンサルタントのキャリアを開始、中国、日本、東南アジアの政府および大手多国籍企業に対して、電気通信、消費者製品、情報技術、政府政策、小売部門を助言。 

にハーバード大学を経済学の学士で卒業。ASEAN奨学生。

ヨハネス ヘーベレ
議員

ヨハネス・ヘーベレ教授は、チューリッヒの小児大学病院の小児科医、新生児科医、集中治療専門家、代謝部門シニア診療医である。また、チューリッヒ大学の小児科助教授であり、小児大学病院の代謝研究室主任である。ヨハネス・ヘーベレ教授は、尿素サイクル異常症の診断と治療に関するガイドラインの作成に携わる欧州ワーキンググループの議長であり、ドイツ代謝学会の共同会長でもある。また、中毒型代謝性疾患欧州登録&ネットワーク(EIMD)の執行委員会および科学委員会のメンバーでもあり、先天代謝異常学会研究会(SSIEM)の委員長及び評議員、教育訓練諮問委員会(ETAC)の委員長も務めている。研究テーマは、遺伝性尿素生成異常と尿素サイクル異常の新規治療法の開発である。現在のプロジェクトは、スイス国立科学財団、チューリッヒ大学の大学研究プライオリティプログラム(URPP)ITINERARE、及びその他の民間財団より助成を受けている。

ハネーレ・イキ―ヤ―ヴィネン医学博士
議員

フィンランド・ヘルシンキ大学医学部の教授。内科および内分泌専門。主な研究テーマは、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)と、糖尿病2型の治療における生体内におけるインスリン抵抗性の因果関係の研究。これまでに300以上の英文原著論文と50以上の総説を発表し、International Textbook of Diabetes Mellitus, Oxford Textbook of Endocrinology and Diabetes, the Textbook of Diabetesなどの教科書の章を執筆している。G. B. Morgagni Young Investigator Award(パドバ・イタリア)、第28回Minkowski賞(ヨーロッパ糖尿病学会 イスタンブール・トルコ)、Anders Jahre Pris(オスロ大学 オスロ・ノルウェー)、Novartis Award in Diabetes(サンディエゴ・米国、患者中心の優れた研究に対して)など複数の国際賞を受賞。また2008. 第16回セルヴィエ講演会(フィリピン・マニラ)、第1回Dr. Augusto D. Litonjua Endowed Lectureship(フィリピン・マニラ)など多くの受賞講演を行っている。2011年には、米国ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学でハロルド・リフキン客員教授の称号を授与された。スタンフォードリストでは、世界のトップ科学者10万人中578位にランクされている。

(Ioannidis JPA & al. PLOS Biol 2019; 17 (8):e3000384. doi: 101371/journal.pbio.3000384)