岡野善行先生が行った食事に関する調査研究の論文(題名:「Food Preferences of Patients with Citrin Deficiency (シトリン欠損症患者の食事嗜好)」が発表されましたのでここ https://doi.org/10.3390/nu13093123 に掲載いたします。この研究はシトリン財団の助成を受け、論文は管理栄養士 岡本美紀が作成しました。
この調査研究は、シトリン欠損症患者の食物嗜好の理解と食物選択基準の解明を目的として行われました。シトリン欠損症患者と対照群として参加した患者家族は435品目の食品について1-4段階で好き嫌いを記入しました。その結果、患者は対照群よりも多い品目を嫌いとし、またその品目はより高い炭水化物、より低い脂肪、より低いタンパク質を含む食品だということが明らかになりました。更にこの研究は、三大栄養素の中で炭水化物が患者の食物嗜好に最も強い影響を及ぼし、女性患者は男性患者と比較すると高炭水化物の食物に対してより強い嫌悪感を抱く傾向があることも明らかにしました。
調査から患者は早くも幼児期前半からシトリン欠損による代謝の不調を補う食品を好むようになることもわかりました。適切な食事療法は、低血糖の予防、倦怠感の軽減、生活の質の向上を促し、CTLN2の発症を防ぎ子供の健康を改善します。シトリン財団はこの研究の助成により研究結果が患者、家族、医療従事者への指針として役立つ事を願います。
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