ウォーカー卿は世界的にも名高い科学者であり、1997年のノーベル賞受賞のきっかけとなるATP合成酵素に関する研究を筆頭に多くの素晴らしい科学的発見を生み出しました。ウォーカー卿はまた、その遺伝子変異がシトリン欠損症を引き起こすアスパラギン酸グルタミン酸輸送体であるシトリンを発見した科学者の1人です。2008年に現在の形となったMRCミトコンドリア生物学ユニットの前駆体であるケンブリッジMRCダン人類栄養ユニットのディレクターに1998年に任命されました。2013年より名誉ディレクターを務め、エネルギー変換の生物学基礎を固め、その知識を医学分野で応用できるよう働きかけをしています。王立学会のフェローであり、2012年には英国で最も高い科学的称賛であるコプリメダルを受賞しました。
ウォーカー卿は2019年からシトリン財団の特別科学顧問を務め、その指導と専門知識により財団は大きな成長と発展を遂げています。また財団の研究戦略(https://citrinfoundation.org/ja/researchstrategy-ja/)の開発を手掛け、シトリン財団の研究指針の定義づけに不可欠な役割を果たしました。
シトリン財団は卓越した科学者と臨床医で構成されるSSBを現在設立中です。SSBは臨床研究と科学研究戦略を監督し、助成申請書の審査、研究予算割り当ての評価、研究ネットワークの拡大、および財団が支援する研究プロジェクトへの助言を行います。
シトリン財団は、ウォーカー卿のこれまでの貢献と今後のSSB会長としての更なる貢献に感謝いたします。その比類のない専門知識と経験によりシトリン財団の発展とシトリン欠損症の効果的な治療法の開発が可能になることと思います。