ケンブリッジ大学のJohn E. Walker卿(Sir John E. Walker 教授)によるレビュー論文「My Path to Citrin Deficiency」が公開されましたのでお知らせいたします。本レビューは、Journal of Inherited Metabolic Disease(JIMD, Vol. 47, No. 6)に掲載されており、尿素生成異常症および関連疾患に特化した特集号の一部として紹介されています。特にシトリン欠損症に強く焦点を当てた内容となっております。レビューはこちらからご覧いただけます: https://doi.org/10.1002/jimd.12818

本レビューの中で、ウォーカー教授は、ATP合成酵素およびATP生成のメカニズムに関する研究(この発見により1997年にノーベル化学賞を受賞)から、シトリンタンパク質の同定とその機能の解明に至るまでの画期的な歩みを振り返っています。彼の先駆的な研究は、シトリン欠損症に関するその後すべての研究の礎となりました。主なハイライトは以下の通りです:

  • SLC25ミトコンドリアキャリア構造の発見:ウォーカー教授とその共同研究者らは、ウシ由来のADP-ATPミトコンドリアキャリアにおいて、特徴的な6回膜貫通型αヘリックス構造と、3回繰り返されるシグネチャーモチーフを特定しました。この発見により、シトリンを含むSLC25タンパク質ファミリーの存在が明らかとなりました。
  • EPRA法の開発:ウォーカー教授とその共同研究者らは、ミトコンドリアキャリアタンパク質の研究に革新をもたらす技術であるEPRA法(発現、精製、再構成、機能アッセイ)を開発しました。EPRA法を用いることで、シトリンがミトコンドリア内のアスパラギン酸と細胞質のグルタミン酸およびプロトンの交換を担うことが実証され、シトリン欠損症の生化学的理解の基盤が築かれました。
  • シトリン欠損症への洞察:これらの成果を礎として、ウォーカー教授はシトリン欠損症に関する50年にわたる研究の歩みを詳しく振り返り、その病因、病態生理、そして疾患が及ぼす影響について貴重な知見を提供しています。

本特集号には、当財団がこれまでにご紹介した、親しい共同研究者による注目すべき貢献も掲載されています。

これらの論文は、シトリン欠損症に対する国際的な認知と科学的理解の促進において、重要な節目となるものです。

当財団は、シトリン欠損症の理解をさらに深め、最終的には治療法を見つけることを目的として、引き続き研究プロジェクトへの支援を行っております。これまでに、シトリン欠損症の研究に対し3,000万米ドルを拠出しており、現在もこの疾患の研究を対象とした充実した研究助成を提供しています。
助成金の詳細については、こちらをご覧ください:https://citrinfoundation.org/ja/research/funding-opportunities/

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