このたび、シトリン欠損症(CD)に関する新たな研究論文「日本における成人シトリン欠損症患者の現状:全国調査からの報告」が、Molecular Genetics and Metabolismに掲載されましたので、ご案内申し上げます。論文は以下よりご覧いただけます。
https://doi.org/10.1016/j.ymgme.2025.109221

本論文は、城戸 淳先生を筆頭著者、中村 公俊先生(熊本大学)を責任著者として発表されたもので、長年の共同研究者であるヨハネス・ヘーバレ先生(チューリッヒ大学小児病院)も研究に貢献されています。本研究は、シトリン財団が一部支援しました。

シトリン欠損症の成人患者さんにおける長期的な経過については、これまで十分に明らかにされておらず、特に思春期・成人発症型シトリン欠損症(AACD)の患者さんは、コホート研究において十分に取り上げられていませんでした。この課題に取り組むため、本研究では、日本人成人シトリン欠損症患者128名の臨床データを解析しました。これは、成人期におけるシトリン欠損症の臨床経過について重要な知見を示す、これまでで最大規模かつ初めての研究です。

本研究では、患者さんを発症時期に基づき、シトリン欠損症による新生児肝内胆汁うっ滞(NICCD)、NICCD後、AACDの3群に分類しました。NICCDの既往がある成人患者さんでは、長期的な経過は概ね良好であった一方、後年になってAACDと診断された患者さんでは、肝性脳症、知的障害、生活の質(QOL)の低下など、症状が持続または悪化する傾向がより多く認められました。また、AACDでみられる肝臓の状態は、末期の代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)に類似している可能性が示唆され、患者さんが不可逆的な肝障害を来している可能性も考えられます。これらの知見は、長期予後を改善するためには、早期診断と継続的な介入が重要であることを示しています。

本重要論文の発表にあたり、著者の皆さまに心よりお祝い申し上げます。

当財団は、シトリン欠損症の理解をさらに深め、最終的には治療法を見つけることを目的として、引き続き研究プロジェクトへの支援を行っております。これまでに、シトリン欠損症の研究に対し3,000万米ドルを拠出しており、現在もこの疾患の研究を対象とした充実した研究助成を提供しています。
助成金の詳細については、こちらをご覧ください:https://citrinfoundation.org/ja/research/funding-opportunities/

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