炭水化物を食べた後気分が悪くなりますか?

炭水化物は食物に含まれる主なエネルギー材料で、人体に必要不可欠です。「炭水化物」とは果物、野菜、穀類、乳製品などに含まれる糖質、でんぷん、食物繊維を指し、白米、パスタ、パン、菓子は炭水化物を多く含む食材の代表例です。

シトリン欠損症の患者は炭水化物を摂り過ぎると気分が悪くなる傾向にあります。このためシトリン欠損症患者は、無意識のうちに炭水化物を多く含む食品を避け、その代わり脂肪やタンパク質を多く含む食品を自然と選ぶようになります。

当時の私としては、どうして私はごはんや麺類を食べると気持ちが悪くなるんだろうと思い悩んだ事は無く、それでもずっと体の中に泥が沈殿している感覚だったので、自分が飲食を選べる時はごはんは拒否しておかずを重点的に食べて、飲み物はジュース類を選ばずお茶かお水を飲んでいました。

体験談より(全文はここをクリック)

シトリン欠損症は、1)新生児肝内胆汁うっ滞(NICCD) 2)小児期から成人期までの独特の食物嗜好を伴う適応/代償期 3)まれに、成人発症のII型シトルリン血症(CTLN2)を呈する事があります。 NICCDの治療は、胆汁うっ滞の進行を防ぐことを目的としており、サプリメントや医薬品(ビタミンK2、脂溶性ビタミン、ウルソデオキシコール酸など)に加え、特殊ミルクであるMCT強化ミルクや乳糖(ラクトース)フリーミルクが使用されます[Okano et al 2019]。乳児期後は、炭水化物からのエネルギー割合が低め、タンパク質と脂質の割合が高めの食事療法が推奨されます。

おかのこどもクリニック 岡野善行先生が書かれた medical treatment guideline (治療ガイドライン 英文)によると、シトリン欠損症の患者は米、甘いもの、アルコールなどの高炭水化物を含む食事を避け、豆類、乳製品、卵、魚、肉などの高タンパク質、高脂質の食事を好む、独特の食事がある傾向にあります。岡野先生はこれまでも多くのシトリン欠損症の研究に携わっています。

シトリン財団は、ガイドラインの作成の基となった岡野先生の研究を支援しております。この論文がシトリン欠損症の治療において国境を越え、世界の医学界にとって有用で効果的なガイドラインとして役立つことを願っています。

シトリン財団が助成するその他の研究プロジェクトについては、「現在の研究」をご覧ください。

 

免責事項:炭水化物の摂取後に気分が悪くなるケースはシトリン欠損症に限定されるものではありません。シトリン欠損症患者は特有の食癖を示す傾向にありますが、症状は人それぞれです。炭水化物を摂取して気分が悪くなった場合は、まず医師にご相談ください。