岡野善行先生が執筆されました論文「Analysis of daily energy, protein, fat, and carbohydrate intake in citrin-deficient patients: Towards prevention of adult-onset type II citrullinemia」(和訳 シトリン欠損症患者のエネルギー、タンパク質、脂肪、炭水化物摂取の考察:成人発症II型シトルリン血症発症予防に向けて) をご紹介いたします。本文は英文ですが、https://doi.org/10.1016/j.ymgme.2021.03.004 (Under a Creative Common license)より閲覧する事が出来ます。この研究はシトリン財団より助成を受けています。

本論文では、シトリン欠損症患者の食事調査結果が報告されており、患者のエネルギー摂取量は日本人の標準的な食事摂取基準の**約115%**であることが示されました。また、炭水化物の摂取量自体はこれまでの報告と同程度であるにもかかわらず、たんぱく質と脂質の割合が高く、炭水化物の割合が低い食事をとっている傾向があることが明らかになりました。さらに、女性患者は男性患者と比較して、炭水化物を摂取する傾向が低いことも報告されています。加えて、患者は総エネルギー摂取量が高いにもかかわらず、一般的に過体重ではないことも示されました。これらの結果から、高エネルギーかつ低炭水化物の食事介入が、シトリン欠損症患者の正常な成長を促し、CTLN2の発症を予防するうえで有効である可能性が示唆されました。

シトリン欠損症が発見されて以降、現在に至るまで本疾患に対する根治療法は確立されていません。しかし、岡野医師は、食品および栄養摂取に関する最新の評価を行い、新たな食事指針を提案することで、既存の治療介入をさらに発展させ、CTLN2の発症予防に寄与する可能性を示しました。

本研究の概要はこちらよりご覧いただけます。

本研究における最新の食事評価は、シトリン財団の支援のもと実施されました。本成果が、シトリン欠損症患者の皆さまおよび医療従事者の方々にとって、疾患管理の実践的な指針として役立つことを願っております。

私たちは、シトリン欠損症の理解と管理において大きな進展を遂げてきたことを大変嬉しく思うとともに、本疾患の治療法確立に向け、今後も研究活動に尽力してまいります。

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