熊本大学の城戸 淳 先生を筆頭著者とし、チューリッヒ大学小児病院のヨハネス・ヘーバレ(Johannes Häberle)教授を責任著者とする論文が公開されましたので、お知らせいたします。論文タイトルは「Deciphering the Mutational Background in Citrin Deficiency Through a Nationwide Study in Japan and Literature Review(日本における全国的調査および文献レビューを通じたシトリン欠損症の変異背景の解明)」で、Human Mutation 誌に掲載されました。論文はこちらからご覧いただけます:https://doi.org/10.1155/humu/9326326

本研究では、日本国内で実施された全国調査と包括的な文献レビューを組み合わせて、シトリン欠損症における遺伝型と臨床表現型の関係性が検討されました。345名の患者から得られた遺伝学的および臨床データを解析した結果、68種類の異なる SLC25A13 変異が明らかとなり、c.852_855del および c.1177+1G>Aが全ての年齢群で最も頻度の高い病原性変異として同定されました。

特に、c.852_855del 変異は、複合ヘテロ接合型であっても、より重篤な臨床症状(高アンモニア血症、認知機能障害、低身長、肝硬変、膵炎など)と関連しており、一部の患者では肝移植が必要となる例も報告されています。この知見は、本変異によってシトリンタンパク質が著しく短縮・非機能化されるという分子レベルでの理解とも一致しています。

本研究は、シトリン欠損症における遺伝型と表現型の相関に対する理解を大きく前進させる成果であり、臨床的な診療指針の確立に貢献するとともに、将来的な遺伝子標的治療などの開発に向けた基盤を築くものです。

この研究はCitrin Foundation の支援を受けて実施され、日本、イギリス、スイスの研究機関による国際共同研究の好例となっています。

本研究に携わったすべての著者の皆さまのご尽力に深く敬意を表し、この重要な成果に心よりお祝い申し上げます。

当財団は、シトリン欠損症の理解をさらに深め、最終的には治療法を見つけることを目的として、引き続き研究プロジェクトへの支援を行っております。これまでに、シトリン欠損症の研究に対し3,000万米ドルを拠出しており、現在もこの疾患の研究を対象とした充実した研究助成を提供しています。
助成金の詳細については、こちらをご覧ください:https://citrinfoundation.org/ja/research/funding-opportunities/

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