2026年5月12日~13日、シトリン財団はベルギー・ブリュッセルで開催された国際ドラッグ・リポジショニング会議(iDR)に参加しました。2日間にわたる本会議には、患者団体、企業、規制当局、臨床研究機関、医薬品開発に携わる団体の代表者が集まり、既存薬の新たな用途への活用が、希少疾患の患者さんにどのような恩恵をもたらし得るかについて検討しました。

財団のドラッグ・リポジショニングへの取り組みを共有

シトリン財団の共同創設者兼代表であるバーバラ・ユーは、「RARE II – 希少疾患におけるドラッグ・リポジショニング研究を推進する新たなアプローチ」と題されたセッションで講演を行いました。

「支援者から構築者へ:患者団体はいかにして希少疾患のドラッグ・リポジショニングのためのエコシステムを築いたか」と題した講演では、患者団体が希少疾患におけるドラッグ・リポジショニングの方向性を形作り、加速させるうえで、いかに積極的な役割を果たせるかについて紹介しました。

このセッションでは、希少疾患におけるドラッグ・リポジショニング研究を前進させるために、新たな戦略が必要であることが焦点となりました。登壇者らは、連携、革新、そして患者主導の取り組みが、研究成果を新たな治療法へとつなぐギャップの解消、患者さんにとって重要な成果を評価する臨床試験の実現、さらには将来的な患者さんの治療アクセスの確保にどのように貢献できるかについて議論しました。

同セッションのその他の登壇者は、以下のとおりです。

  • ミーガン・バーリー(希少疾患情報プラットフォーム Beacon: for rare diseases
  • ギヨーム・カノー(ネッケル小児病院パリ・シテ大学
  • ダリウシュ・アダムチェフスキ(欧州小児腫瘍財団〔Children’s Tumor Foundation Europe〕)
  • マルク・ビュイーズ(国際医薬品開発研究所〔IDDI — International Drug Development Institute〕、CluePointsOne2Treat

治療を患者さんのもとへ確実に届けるために

バーバラは、「患者参画パネルディスカッション ― 薬があるだけでは十分ではない」にもパネリストとして登壇しました。

このパネルディスカッションでは、治療法の開発後も患者さんの参画を継続する必要がある理由について検討しました。患者コミュニティが、研究の優先課題の策定、治療へのアクセスを促進する取り組み、そして治療法が患者さんの実際のニーズを反映したものとなるようにするうえで、どのような役割を果たしているかが議論されました。

また、効果が期待される薬剤であっても、臨床医や研究者が設定した評価項目(あらかじめ定められた望ましい成果)が、患者さんにとって重要な変化や効果を十分に捉えていない場合、臨床試験が失敗に終わる可能性があることも強調されました。そのため、研究者は特定の疾患とともに生きるうえでの課題について包括的な情報を収集し、臨床試験における「成功」とは何かを定義する過程に患者さんが参加することが不可欠です。

登壇したパネリストは、以下のとおりです。

  • リック・トンプソン(希少疾患情報プラットフォーム Beacon: for rare diseases
  • アレッサンドラ・トラッチャ(欧州骨形成不全症連盟〔OIFE — Osteogenesis Imperfecta Federation Europe〕)
  • ナディア・ハニム・アブドゥル・ラティフ(マレーシア希少疾患協会〔Malaysian Rare Disorders Society〕)
  • マシュー・ベイカー(Hypersomnolence UK

まとめ

シトリン財団のiDR 2026への参加は、患者さんが主体となる研究の推進、分野を超えた連携の構築、そしてシトリン欠損症をはじめとする希少疾患の治療法開発を加速させ得る革新的なアプローチへの継続的な取り組みを示すものです。

これを実現するためには、シトリン欠損症の患者コミュニティとの意義ある連携が欠かせません。この疾患とともに生きる方々の経験や、新たな治療法への希望を理解することは、財団の活動が患者さんにとって真に意義のある、効果的なものであり続けるために不可欠です。