この度、シトリン財団の研究助成を受けた城戸淳先生と中村公俊教授による論文が発表されましたのでお知らせ致します。こちらの論文は「Improved sensitivity and specificity for citrin deficiency using selected amino acids and acylcarnitines in the newborn screening」と題され、Journal of Inherited Metabolic Diseaseに掲載されました:Journal of Inherited Metabolic Diseases| Improved sensitivity and specificity for citrin deficiency using selected amino acids and acylcarnitines in the newborn screening

シトルリン濃度を用いた現在のシトリン欠損症の新生児スクリーニング(NBS)法では、一部の症例を見逃してしまう傾向があります。城戸先生らによる以下の研究では、アルギニン(Arg)、シトルリン(Cit)、イソロイシン+ロイシン(Ile+Leu)、チロシン(Tyr)、遊離カルニチン(C0)/グルタリルカルニチン(C5-DC)比の評価を組み合わせることにより、NICCD患者の検出を改善するNBSの新しい使用法を探求しています。この新しい方法を用いて96人のNICCD患者のNBS結果をレトロスペクティブに再分析した結果、この方法は、後にNICCDと診断された無症候性新生児を含むNICCD患者の診断において、既存のNBS方法よりも有意に感度が高いことが示されました。著者らは、以下の方法を既存のNBSプログラムに追加費用なしで導入することで、患者の診断精度を高めることができると提案しています。

この論文で得られた知見は、世界中でより多くのCD患者を発見し、診断するために有益であると確信しています。今後、臨床医の皆様にとって重要な情報となることを願っています。

当財団は、シトリン欠損症の理解を深め、最終的にはこの疾患の治療法を見つけるための研究プロジェクトに資金助成し続けています。現在、シトリン欠損症の研究に3,000万ドルを拠出し、研究助成金を提供しています。研究助成金の詳細については、こちらをご覧ください:https://citrinfoundation.org/research/funding-opportunities/

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