この度、シトリン財団の支援により、ポール・イェン教授(Duke-NUS Graduate Medical School)とホルヒーナ・サトゥルステグイ教授(Universidad Autónoma de Madrid, Spain)が新たに2つの論文を発表しましたので、お知らせ致します。

ポール・イェン教授とチームによる論文は、Human Molecular Geneticsに掲載され、研究題名は「シトリン欠損ヒト肝細胞モデルにおけるニコチンアミドリボシドによる解糖および脂肪酸β酸化の制御異常の救済」です。本論文は、シトリン欠損症(CD)の代謝異常の一部を治療する新規戦略として、シトリンノックアウト(KO)HepG2細胞株に対するニコチンアミドリボシドの有効性を研究しており、本論文から得られた知見は、CDや他のミトコンドリア疾患の代謝異常の一部を治療する新規戦略である可能性を示唆しています。論文の詳細については、こちらをご覧ください。

ホルヒーナ・サトゥルステグイ教授とそのチームの論文は、Molecular Genetics and Metabolismに掲載され、研究題名は「外因性のaralar/slc25a12は、肝臓のリンゴ酸アスパラギン酸シャトル構成要素としてcitrin/slc25a13に取って代わることができる」です。この論文では、シトリン欠損症の治療法として、シトリン(-/-)マウスのシトリン/slc25a13の代わりに外因性のaralar/slc25a12を用いることを検討しています。この論文から得られた知見は、肝臓におけるAGC間の機能的な置換と、ヒト肝臓の酸化還元バランス能力を改善するためにaralarの発現量を増やすことが、シトリン欠損症に対する有効な治療法であることを示唆しています。論文の詳細についてはこちらをご覧ください。

これらの論文から得られた知見は、シトリン欠損症の有効な治療法の開発に向けて、当財団の研究を進める上で有益なものと考えています。ポール・イェン教授、ホルヒーナ・サトゥルステグイ教授の両氏の功績を称えるとともに、論文の内容を参考にしていただければ幸いでございます。

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