成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)

13 10, 2022

CTLN2 の発症を防ぐにはどうしたら良いですか?

2023-12-11T19:59:13+08:00

CTLN2の発症には、いくつかの誘因(飲酒、炭水化物や糖質の過剰摂取、重篤な感染症、特定の薬剤など)があると考えられていますが、まだ完全には解明されていません[Okano et al. 2019]。このため当財団はCTLN2の発症につながる因子を解明するための研究への助成を積極的に行っています。飲酒は高アンモニア血症を引き起こすとの報告があり、禁酒を徹底することは非常に重要です。グリセロールや高濃度果糖の輸液も急速な悪化をもたらした症例があり、避けるべきです [Takahashi et al. 2006, Saheki & Song 2005; last updated 2017]また、アセトアミノフェンやラベプラゾールはCTLN2を誘発する可能性があるため、避けた方がよいという報告もあります [Okano et al. 2019]。これまでの知見では、CTLN2の発症を防ぐには、適切な食事管理(高タンパク質・高脂質・低炭水化物食)とMCTの補給が有効であると考えられます。MCTはCTLN2に対して効果的であると報告されており、患者の食事に取り入れることが推奨されます [Hayasaka et al. 2014; Hayasaka 2018]。 

13 10, 2022

シトリン欠損症になると将来的には必ずCTLN2になりますか?

2022-10-14T11:33:13+08:00

文献や個人的なコミュニケーションにもあるように、シトリン欠損症の患者全員がCTLN2を発症するわけではありません。CTLN2の症例が多い日本では、人口比で10万分の1から20万分の1であるのに対し、NICCDの頻度は約1万7千分の1です。CTLN2の主症状である高アンモニア血症は、多くの場合バランスの悪い食事や上記2で詳述した因子が引き金になります。

13 10, 2022

CTLN2 は精神神経症状を生じますが、私のシトリン欠損症の子供も精神的に問題がある可能性はあるのですか?

2022-10-14T11:34:45+08:00

シトリン欠損症は、主に肝臓とその関連代謝経路に影響を及ぼす先天性代謝異常症です。高アンモニア血症の再発がない限り、(シトリン欠損症が直接関与する)神経症状や精神症状、認知機能異常は起こらないと考えられます。したがって、これまで小児で観察されていないCTLN2を発症しなければ、患者の認知発達や能力に影響を与えることはないと考えられます。

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